企業が調達・購買担当者(バイヤー)に求めるものは様々です。
そのニーズをよく理解していないと、自分たちの活動が意味の無いものになってしまいますよね。
毎日の仕事の中で忙殺されて、会社が求める本来の姿を見失いがちです。
そんな私も毎日の業務に追われて、ただそれを処理するだけの日々になっていました。
でも、あるとき書き留めたノートに、こういったことを書いていました。
今回は、企業が我々バイヤーに求めていることを3つ挙げて解説をしていきます。
※ここでいう企業とは一般的な中小企業をターゲットとしていますので、大企業の場合は、地域社会への貢献とかCSRの満足とかいろいろ出てくると思いますが、その点はご了承ください。
①安く買え
まず1つめに、バイヤーに求められていることは安く買え、ということです。
結局はたいていの場合、なんだかんだ言って価格です。
モノを買う上で、それぞれにメリットとデメリットが発生します。その見極めをしないといけません。
ケーススタディ
A社で購入すると、1ヶ2円のネジが、B社で購入すると、1ヶ1.5円になる。
B社とはまだ取引をしたことがない。経営状態も去年からおかしくなっているという噂がある。
さて、A社からの購入を継続しますか?B社に購入を変更しますか?
年間50万本ですから、A社から購入すると100万円/年。B社から購入すると75万円/年。
年間25万違うから、B社は圧倒的に安い。でも、取引をしたことがないという不安があり、経営状態の不安もある。
価格を取るか、リスクを回避するか。はたまた他の仕入先に見積照会をするのか。
リスク回避のために、調査会社を使って調査をするとか、いろいろな手段があります。
また別記事で紹介しますが、調査方法も様々です。
②良い品質のものを買え
「安かろう悪かろう」という言葉があります。
昔から日本ではよく使われてきた言葉ですが、2000年代以降「安い=お得なもの」という感覚に変わってきたように思います。
「安かろう悪かろう」で揶揄されていた中国は、着実に品質を上げてきており、製造業にとっては驚異的な存在です。
品質で問題が起こると、価格メリット以上の問題が発生し、メリットを一瞬で食い潰してしまいます。
よって、価格が安くても自分たちあるいは顧客の要求する品質を達成できない会社とはお付き合いすべきではないと考えます。
但し、こういった会社こそまだ改善の余地があり、パイプを太くして将来にわたって使っていきたいと思うのであれば、人材を派遣して教育・指導をするというのもありです。
③納期を守らせろ
価格も安く品質も良い、でも総合評価として下げる可能性が高いものが、この納期です。
納期が守れない会社は、必ず何か問題があります。必ずです。
特に、指定納期に対して遅れて納入してくる会社は論外です。また、許可も無く指定納期に対して前倒しをしてくる会社もズレています。「納期」は納期です。遅いのはもちろんのこと、許可無く納入してくる会社はダメです。
QCD
そう、これらがQCDです。
Quality(品質)
Cost(コスト)
Delivery(納期)
我々は常にこの点に注意をして、仕入先と付き合っていかなければなりません。
これらの項目は、我々だけでなく、お客様(顧客)へのラインに直結します。
決して侮ってはいけません。大切なポイントです。
調達経験が長くなればなるほど、慣れてしまいこれらのことに鈍感になりがちです。
QCDは会社が求める3つのことという認識を忘れずに、信念を持って業務に取り組んでいきましょう。