調達・購買担当者(バイヤー)に必要なことは、信念だと以前の記事で紹介しました。
今日の記事も忘れて欲しくないことです。
ステークホルダー・・・利害関係者。
あなたに関係する直接的及び間接的な利害関係者を◯◯にするという気持ちが大切です。
調達活動をすると様々な問題に直面します。皆さんも様々な問題で頭を抱えているのではないでしょうか?
参考書によると、「仕入先の健康状態をチェック(サプライヤーヘルスチェック)したり、BCP(事業継続計画)を立てましょう」と書かれていたりしますが、そんなのは一筋縄ではいきません。もっとシンプルに一緒に考えてみましょう。
ステークホルダーを幸せにする
結論から。
ステークホルダーを幸せにする、という気持ちを持つことです。
日々、戦いじゃないですか!
でも、その気持ちを信念として持っているか、持っていないかで判断は大きく異なります。
具体例:仕入先に価格で無理をさせる
バイヤーの仕事。
私のような中小企業のバイヤー経験者は、品質も納期も大切だけれども、コストは最重要なものだと考えているでしょう。
たとえば、あなたが見積照会をしました。
最安はC社だけれども、あなたはB社に発注したい。
B社に無理をさせるか否か。
今の局面だけではなくて、その先にあるものを見つめることが大切です。
1年後、3年後、5年後。
B社に発注したら、B社は幸せになれるだろうかどうか。
今、価格に無理をさせたとしましょう。押しつけじゃなくて、B社が自主的に「この価格でやらせてください」と言ったと仮定します。
バイヤーのあなたは、「そりゃよかった。メデタシメデタシ。」で終わったとします。
それから3年後。
値段を上げさせて下さい。
こういった事態にならぬよう、事前に見抜くスキルが必要です。
ムリはさせてはダメ
B社からのリクエスト。「値段を上げさせて下さい。」
値上げを認めよう。
「なんであのときにムリしたの?3年後の事業計画をどう考えていたの?」
たいていそういった場合は、きちんと答えられないことが多いです。
上司を連れてきてもらって、きちんと説明をしてもらいます。
何が失敗だったのか
3年前の見積照会での判断が間違っていた。
それが失敗でした。
ムリをさせてはいけないのです。
「仕事が欲しいんです!」と言ったとしても、その対応ができるか判断をしないといけません。
仕入先が今だけでなく、数年後幸せになっているかを予知しなければならないのです。
幸せになるために
結局、B社に発注したことで自分も不幸せ(アンハッピー)になってしまいました。
元も子もない状態です。
自分が幸せに過ごすためにも、ステークホルダーにも幸せになってもらわないといけません。
ステークホルダーが幸せになるためには、自分自身が確固たる信念を持たなければなりません。時には心を鬼にして叱ることもあるかもしれません。それは、目の前のことを追及しているのではなく、先の幸せを追求するためなのです。
接待は幸せ?
接待を受けると、幸せですか?
営業さんは会社の金でお酒が飲める、おいしいものが食べられる。
バイヤーも同じ。
私は幸せとは思いません。
先のことを見据えたときに、それは本当に幸せでしょうか?
それはあなた自身で考えてみて下さい。
大切なのは先読みし、幸せかどうかを判断すること
これは何事にも共通することだと思いますが、先を読むというのは大切なことです。
この先にいったい何が待ち受けているのか?
そりゃわからないことばかりです。
でもあとになって「やっぱりそうなったか!」という事態だけは避けたい。
先にリスク回避をしておくことが大切です。
先を読むことで、後の自分とステークホルダーを幸せにすることができます。
今に溺れず、先の幸せを。
皆さんの未来が幸せになりますように。